時の流れを誰が知る

2004年の日記が見つかったのでそのまま掲載しておく。
内容を見てみるとどうやら映糸がライブ活動休止?する直前の事のようだ。
ちなみにエスエフ〜というのは今僕がやっているバンドの母体となったバンドだ。

ー以下ー
明日、というか今日の映糸のライブ。
6月11日(金)
AT ベルギーフランドル交流センター
写真展レセプションパーティにつき入場無料(ベルギービールとおつまみ付)
http://www.flanders.jp/flanderscenterindex.htm
周辺地図など詳しく載っています。
大阪国際交流センターの3階です。
十数年前は国際交流センターはよくコンサートに使われていた。
デビュー前ですごく話題になっていたボガンボスを見に行ったのは高校卒業するかしないぐらいのころだった。
会場は違うけど少し感慨深い。
それはともかく、そのライブで映糸は当分お休みになります。
で、今日はエスエフソロウズトリオの練習で。
取りあえず今日はトリオで入って来週はベーシストを入れて練習する予定。
久しぶりにハーモニカホルダーつけてエレキギターを弾いたがなかなか大変だ。かなり楽しかったけど。
サウンドアメリカの片田舎の狂気って感じだろうか。いい感じにはなってきていると思う。
映糸やトラディッショナルスピーチ同様、独特の世界観を作ることが出来たらと考えている。
もしどこかの、少しだけ都会の田舎町を通りかかって、崩れかけたバーから奇妙な音楽が流れていたら,エスエフソロウズ・トリオが演奏していると思ってもらっても間違いはないだろう。(2004.6/11記)




MDを聴くハードが無くどうしようかと悩んだ。おそらく2、3日はずっと考えていた。
当時僕は10年近く同棲してた恋人がいた。もっともこの頃にはもう良好ではなく"終わり"が近い事を薄々感じていたがとにかくMDデッキを買うことで(生活費に多少響いてくる)モメるのを恐れていた。
しばらくして
 〜音源聴いてもらえましたか?〜
と辰巳からメールが来た。焦りその日のうちに僕は出来たばかりのヨドバシカメラに行った。周りの友達もMDを持っていなかった。

ヨドバシカメラに着いてオーディオコーナーでMDのデッキを見ていた。買うならやはり録音出来るもの、そしてなるべく安いものがいい。結局マイクも付属しているMDウォークマンタイプのものにした。

その日の夜に聴いた。
曲は "マヨナカ"と"細工"と"lise(後にvoice or viceと改題)"の三曲だった。
デモの段階だったが本当に素晴らしいものだった。
声はニコとビョークが混ざった感じで音質のローファイさがすごく馴染んでいた。
エレキギターの弾き語りで細工だけはリズムマシンが使われていてこの辺りは今風の若者の音楽だなと思った。それ以外はミニマルなダウナーフォークでやはりヴェルベットアンダーグラウンドを連想させた。
それらをレコーダーに移してトランペットを入れた。そして借金して購入したプロツールズで音響処理をした。
どういうことをしたかというと元の曲を逆回転処理をしてそれに深いエコーをかける。元の曲に重ねるとストリングスのような響きになる。この手法はちょっと前に偶然発見したのだが辰巳のその曲にすごくフィットした。一日中聴いていた。

その "リミックス" した曲を送り返した後か前かは思い出せないが初めて辰巳と話した。

夜七時半頃、スーパーに買い出しに行く途中、携帯が鳴った。
電話の主は辰巳でどうやら寝起きだったようだ。
何を話したのかわからないが声はかなり気だるそうでいかにもフリーターの女の子という姿をイメージさせた。今は働いていないと言うのでますますそのイメージが膨らんだ。
その何日か後に実際に会うのだがその時はオシャレでスマートな女性でハキハキしていたのでどれが実際の彼女だろうと当時は不思議に思った。その落差が魅力的だったのかもしれない。

辰巳と初めて電話で話した時に通った道、それは都島商店街の中で総菜屋の前だった。今でもその総菜屋は健在でたまにその前を通ると僕は思い出してしまうのだ。(森田雅章)